プルーンの鉄

yunnta

2012年10月05日 19:56

久しぶりの更新です

プルーンの鉄につてのご質問のコメントがありますし

またちょうどのタイミングでプルーンの鉄についてのエピソードがありましたので

これまで書いたこととの重複もあるかと思いますが

また、書いておきます

先週のことですが、あるクリニックで栄養の講演会をさせていただきました

医療機関のスタッフ対象ではありましたが、分子栄養学の基本的なこと

例えば、貯蔵鉄の捉え方などが、まだ十分ではなかったの

貯蔵鉄(血清フェリチン)の検査のこと

貧血改善の目的で摂る鉄の事で、食品に含まれる鉄の形態についても話しました

鉄の種類には2種類あります。

動物性食品に含まれる『ヘム鉄』と

植物性食品に含まれる『非ヘム鉄』です

それぞれの食材を表で表しながら

また、ヘム鉄の吸収率と、非ヘム鉄の吸収率と話しました

その流れで、一般に貧血改善と言えばプルーンですのでそのことに話がおよびました

一般の医療機関でも貧血改善のアイテムとしてプルーンジュースが出てきます

プルーンの鉄の含有量って多いのだろうか

プルーンは生で100g中0.2mg、 乾燥で1.0mgと

鉄の含有量としても決して多くないのです

同じ植物性食品(非ヘム鉄)の小松菜が100g中2.8mgと比べても、とても低いです

それに、乾燥プルーン100gを常に食べることというのは至難のことではないでしょうか

乾燥プルーン10個をとって30~50gほどではないかとおもいます。

10個(30g)を摂ってたとして0.3mgほどの非ヘム鉄を含みます

しかし、問題はその食品に含まれる鉄の量ではありません

吸収率です

ヘム鉄食品で、20~30% 非ヘム鉄食品で1~7%ほどです

非ヘム鉄食品の小松菜やほうれん草は吸収率が1%程度

同じ非ヘム鉄食品の大豆は比較的高く7%程度

プルーンには非ヘム鉄が微量なりとも含まれていますが

プルーンの鉄は、ペクチンという食物繊維にガッチガチに包まれているため

このペクチンという食物繊維を消化する酵素は、私たち人間の胃腸の消化酵素では持ち得ていないのだそうです。

ですので、そのまま食物繊維として大腸まで行ってしまいます

プルーンには、鉄以外にペクチンやカリウムといった有効な栄養素がふくまれていますので

例えばペクチンの作用による整腸作用、抗動脈硬化作用、抗酸化作用も最近言われているところです

ですので、妊婦さんなどが貧血改善として摂るよりも、便秘の改善には有効な食品と思います

また、カリウムの補給源としてもバナナよりも有効と思います

しかし、貧血改善としては有効な食品ではありません
と、言い切ったので

クリニックの勉強会に参加されているドクターや薬剤師さんや看護婦さんや受付スタッフに

(なんて非常識なことを言っているのだろう)みたいな視線を浴びながら、中には失笑する方も居ました

たぶん、私が勉強会で話すよりも

テレビやラジオで話す内容の方が信頼度はあるみたいですが

まぁ とにかく私は話しました・・・・

なんだか今は・・・虚脱感に近い気持ちでもあります





     

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